古着大百科 > タグの見分け方

バンドTシャツやムービーTシャツのボディとして、古着市場で絶大な人気を誇るScreen Stars(スクリーンスターズ)。細身で着丈がやや長めの独特なシルエットは、多くのヴィンテージファンを魅了し続けている。定番のプリントアイテムを支える屋台骨として、その存在感は今なお色あせていない。ヴィンテージ市場では、首元のタグの地色やデザインを読み解くことで、そのアイテムがおおよそどの年代に作られたのかを推測できることが知られている。この記事では、Screen Starsのタグに現れる年代のサインを、古着初心者の方にもわかりやすいように整理して紹介していく。プリントの主役を引き立てる名脇役として、多くの名作Tシャツを支えてきたブランドだけに、タグの知識を持っておくと古着選びの精度がぐっと上がる。バンドTシャツやムービーTシャツを探す際には、プリントの内容だけでなく、こうしたボディブランドの知識もあわせて持っておくと、より確かな目利きができるようになる。
Screen Starsは1980年、アンダーウェアブランドとして知られるFruit of the Loomから、プリントTシャツ専用のボディブランドとして派生する形で誕生した。この経緯を知ると、両ブランドのタグを見比べる楽しみもより深まる。それまで肌着づくりを主軸としていたFruit of the Loomが、プリント用途に特化したラインを新たに立ち上げたという経緯を持つ。設立された年こそ比較的新しいものの、その後の展開スピードには目を見張るものがあり、業界内でも異例の急成長を遂げたブランドとして語り継がれている。最盛期にはアメリカとヨーロッパで年間一億枚規模の販売実績を記録したとも言われている。この驚異的な生産量からも、当時いかに広く支持されていたブランドだったかが伝わってくる。現在アメリカ本国での製造はすでに終了しており、日本国内で復刻版が流通しているという、少し珍しい立ち位置のブランドでもある。本国で終了した生産が日本で受け継がれているというこの現象は、日本におけるアメリカンヴィンテージ文化への根強い愛着を象徴する出来事のひとつと言えるだろう。海を渡った先でむしろ人気が再燃し、新たな形で生き続けているという点も、このブランドならではの興味深いエピソードだ。
Screen Starsが誕生した1980年という時期を理解するには、Tシャツそのものの歴史を振り返ることが欠かせない。もともとTシャツは、軍隊で使われていた下着が発端とされ、長らくアウターとして着るものではなかった。しかし1960年代に入ると俳優やミュージシャンを中心にファッションアイテムとして扱われるようになり、1970年代にはプリントの用途も広がって、企業広告から個人の自己表現の手段としても定着していった。こうした流れの中でTシャツ市場そのものが急速に拡大し、プリントを施すための質の良いボディへの需要が高まっていったことが、Screen Stars誕生の追い風になったと考えられる。

Screen Starsのタグは、地色によって生地の素材配合が示されているという独特の仕組みを持っている。青色のタグは綿100%、赤色のタグは綿とポリエステルの混紡、黄色のタグは目の詰まったヘビーウェイトの綿100%というように、色ごとに素材の情報が対応している。この色分けを知っておくと、タグを見ただけで生地の重さや質感をある程度予測できるようになる。フリマアプリで購入を検討する際、実物を触れない状況でも、タグの色さえわかれば生地の厚みをある程度想像できるというのは、意外と実用的な知識だ。とくに厚手のヘビーウェイトを好む人にとっては、黄色いタグかどうかを確認するだけで大きな判断材料になる。
もっとも古い時代のタグには、商標登録の申請中を示す「TM」の表記が入っていないタイプが存在する。その後の時代になるとこの表記が加わるようになった。ブランド設立自体が比較的新しいため、タグのバリエーション自体はそれほど多くないが、この「TM」表記の有無は数少ない前期・後期を見分ける重要な手がかりになる。バリエーションが少ないぶん、ひとつひとつの違いがより明確な意味を持つとも言えるだろう。

タグに記載される素材の配合比率が、タグの表面にあるか裏面にあるかも見分けるポイントのひとつだ。もっとも古い時代は裏面にのみ記載されていたが、ある時期を境に表面にも記載されるようになった。この配合表記の位置を確認することで、ごく初期のタグの中でもさらに詳しい時期を絞り込むことができる。裏面まで確認する手間はかかるが、それだけ精度の高い判断につながる価値のあるチェックポイントだ。
時代が進むと、タグ全体の基調となる色そのものが大きく変化していく。1980年代を中心に使われていたのは白を基調にしたタグで、1990年代になると黒地に白文字を配した、通称「黒タグ」と呼ばれるデザインへと切り替わっていった。まずはこの白タグか黒タグかという違いを見極めることが、大まかな年代判別の入り口になる。地色というひと目でわかる特徴だからこそ、慣れないうちでも迷わず判断できる、取り組みやすいチェックポイントだ。

黒タグの時代になると、ブランド名の下に「BEST」という文言が加わるようになった。この文言の両端には星のモチーフが配され、「BEST」の「T」の文字がTシャツの形にデザインされているという遊び心のある意匠になっている。この付属文言の有無を確認することで、黒タグの中でもさらに詳しい時期を絞り込むことができる。文字の一部をアイテムそのものの形にデザインするという遊び心は、実用一辺倒になりがちなタグの世界において、ちょっとした息抜きのような楽しさを感じさせてくれる部分でもある。

| 時期の目安 | タグの通称 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1980年〜1982年頃 | 初期タグ(TMなし) | 「TM」表記が無い、もっとも古いタイプ。素材配合表記はタグ裏面 |
| 1983年頃〜1980年代半ば | 初期タグ(TMあり) | 「TM」表記が加わる。素材配合表記がタグ表面にも記載される |
| 1980年代 | 白タグ | 白を基調にした紙タグ。地色で素材(青=綿100%/赤=混紡)を示す |
| 1980年代後半 | 白タグ後期 | 「MADE IN U.S.A.」の表記位置がタグ下部に移動 |
| 1990年代 | 黒タグ | 黒地に白文字。素材がナイロンへ変化。ブランド名下に「BEST」表記 |
| 1990年代後半 | 白タグ復刻期 | 初期タグに近いデザインへ回帰。「FRUIT OF THE LOOM」の表記も加わる |

実物を確認する際は、まずタグが白タグか黒タグかを見て大まかな時代帯を絞り込む。次に「TM」表記の有無を確認し、続いて素材配合の記載がタグの表面にあるか裏面にあるかを見る。そのうえで地色から素材配合を読み取り、最後にブランド名下の付属文言を確認して、これまでの情報と矛盾がないかを突き合わせるという順序で進めると判断がしやすい。

Screen StarsとFruit of the Loomは、80年代のヴィンテージバンドTシャツによく使われていたボディブランドとして知られている。タグにこれらのブランド名が記載されている場合、そのアイテムが本物である可能性が高いとされる根拠のひとつになる。あわせて、プリント部分の隅に発行年とバンド名を記したコピーライト表記があれば、より確実な裏付けとして扱うことができる。ただしコピーライトの表記自体は義務ではないため、記載が無いからといって即座に偽物と判断するのは早計だ。とくに知名度の低いバンドの記念Tシャツなどでは、そもそもコピーライトの記載自体が省略されているケースも多く、コピーライトの有無だけを絶対的な基準にするのではなく、タグの年代とプリントの内容や質感を総合的に見比べることが、確実な判断につながる。

オンラインで購入を検討する場合は、タグの表面だけでなく、裏面まで写した写真もあわせて依頼するのがおすすめだ。素材配合の記載が裏面にしかない個体もあるため、両面を確認できると判断の精度が大きく上がる。実店舗で確認する場合も、タグをめくって裏面までチェックする習慣をつけておくと、判断材料が格段に増える。あわせて、生地の厚みや縫製の丁寧さ、プリントのひび割れ具合といった全体の状態も見ておくと、タグの情報だけに頼らない総合的な判断ができるようになる。細身で着丈が長めという独特のシルエットも、このブランドを見分ける際のひとつの手がかりになるため、あわせて覚えておくとよい。

A. 白タグのほうが先に使われており、その後の時代に黒タグへと切り替わっている。
A. 本当だ。青は綿100%、赤は綿とポリエステルの混紡というように、地色ごとに素材の情報が対応している。
A. ブランド設立からごく短い期間にしか使われなかったとされているためだ。設立年自体が新しいブランドであるため、初期タグの現存数自体が少ない。
A. その可能性が高い。オリジナルのヴィンテージ期にはシンプルな単独表記が多く、Fruit of the Loomの名前が併記されたタグは、復刻ラインやライセンス品に見られる傾向がある。
ヴィンテージ市場でScreen Starsのアイテムに価格差が生まれるのは、単に古いか新しいかという単純な話だけではない。使用期間が短かった希少なタグデザインや、当時の生地の質感、プリントとの組み合わせといった要素が組み合わさることで、コレクターの間での評価が変わってくる。プリントTシャツの土台として多くの名作を支えてきたブランドだからこそ、タグから読み取れる情報は単なる「年式」以上に、そのアイテムがどのような時代のカルチャーの中で作られたのかを知る手がかりでもある。ロックバンドのツアーTシャツや映画の記念プリントなど、その時代を象徴するグラフィックとタグの年代を突き合わせることで、そのアイテムが実際にどんな熱狂の中で生まれたのかを追体験することができる。

Screen Starsのタグから年代を読み解くには、タグの地色と素材の対応関係、「TM」表記の有無、素材配合表記の位置、タグの地色(白か黒か)、ブランド名下の付属文言という複数の要素を組み合わせて確認していくことが欠かせない。プリントの主役を引き立てる名脇役として活躍してきたブランドだからこそ、タグの変遷を知っているかどうかで、古着選びの視点がぐっと広がる。ひとつずつ着眼点を確認しながら、自分の手元にある一着の背景を紐解いていってほしい。設立からの歴史は決して長くないブランドだが、その短い期間の中に凝縮された変化を追いかけていく作業は、他の老舗ブランドとはまた違った発見に満ちている。
この記事で調べたものが、いまお店にあるかを見られます。売り切れの場合は出ません。
いまお店に在庫がありません—